本院 医療法人社団 健生会 産婦人科·乳腺ドック MARI WOMEN' S CLINIC まりウィメンズクリニック
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生理じゃないのに血が出る

生理じゃないのに
出血があるのはなぜ?

生理じゃないのに出血がある「不正出血」について「あれ…生理じゃないのに出血がある?」

ふとしたタイミングでの出血に、不安を感じたことはありませんか?
生理予定日ではない出血の多くは「不正出血」と呼ばれます。これは一時的なホルモンの乱れによることもあれば、子宮の病気や感染症が隠れている場合もあります。

このページでは、不正出血の見分け方や原因、受診の目安について、わかりやすくご紹介します。

不正出血とは?
生理との違いと見分け方

不正出血とは?生理との違いと見分け方「生理のはずじゃないのに出血している…」「茶色っぽい血が続いていて不安」
そんなときは、「不正出血」の可能性があります。

生理と不正出血のちがい

一般的な「生理」は、25〜38日程度の周期で、一定のリズムとまとまった出血量があります。

一方で、生理以外の時期に起こる出血は、すべて「不正出血」に分類されます。不正出血の原因はさまざまで、一時的なホルモンバランスの乱れから、婦人科系の病気や感染症など、治療が必要なケースもあります。

見た目だけで判断するのは難しく、量・頻度・色などからある程度の傾向はわかるものの、正確な診断には婦人科での検査が必要です。

出血量・頻度で見られる傾向

少量で1日〜数日程度

  • ホルモンバランスの乱れ(ストレス・睡眠不足など)
  • 排卵期出血(排卵のタイミングで少量の出血を認めることがあります)
  • 性行為後の軽い出血(腟壁が傷ついた場合)
  • 腟炎や子宮頚管炎などの感染症
  • 子宮頸管ポリーや子宮腟部びらん

少量でダラダラと続く場合

  • 子宮頸がん・子宮体がん
  • 子宮頚管ポリープや内膜ポリープ
  • 腟炎や子宮頚管炎などの感染症
  • 思春期や更年期に見られるホルモンバランスの揺らぎ
  • 流産・異所性妊娠(子宮外妊娠)

出血量が多い場合

  • 子宮筋腫の分娩(筋腫が外に出かけている状態)や粘膜下筋腫
  • 子宮頸がん・子宮体がん
  • ホルモンバランスの大きな揺らぎ
  • 流産・異所性妊娠(子宮外妊娠)
  • 大量出血が続くと、貧血や輸血が必要になることもあります
  • 周期が短くて出血が多い場合は「頻発月経」という可能性も
 

自己判断せず、気になる出血は婦人科へ

不正出血は、体からのサインです。一時的なものもあれば、治療が必要なケースもあります。

色や量、続く日数などをメモしておくと、受診時の参考になります。

「これって大丈夫かな?」と思ったら、一人で悩まず、婦人科を受診して専門医に相談しましょう。

ご相談はこちらから

不正出血の主な原因とは?

不正出血の主な原因とは?不正出血の原因はひとつではなく、大きく分けて5つのパターンに分けられます。

生理的な変化から、治療が必要な病気が隠れていることもあるため、症状の経過や体調の変化に注意が必要です。

炎症による出血
(性感染症などが原因)

性行為などをきっかけに、腟や子宮の入り口(子宮頸部)に炎症が起こることで、不正出血が見られることがあります。特に、クラミジア・淋菌・トリコモナスといった性感染症に感染すると、性交時やその後に出血しやすくなることがあります。

  • 腟のヒリヒリ感やおりものの異常を伴うことも
  • 自覚症状が乏しいこともあり、気づかないうちに進行する場合もあるため注意

性感染症について
詳しくはこちら

ホルモンバランスの乱れ
(機能性出血)

ホルモンの分泌が一時的に乱れることで、子宮内膜が安定せず、生理とは関係のない出血が起こることがあります。これは「機能性出血」と呼ばれ、以下のようなタイミングに起こりやすいとされています。

  • 強いストレスや環境の変化
  • 思春期・更年期といったホルモン変動の時期
  • 睡眠不足や急な体重変化、過労など

一時的なもので自然におさまることもありますが、頻繁に続く場合は婦人科での相談をおすすめします。

排卵期に起こる生理的な出血(中間期出血)

排卵のタイミングで、少量の出血が1〜2日程度見られることがあります。
これは「中間期出血」や「排卵期出血」と呼ばれるもので、多くは問題のない生理的現象です。

  • 若い女性や月経周期が安定している方に多い傾向
  • 出血量は少なく、痛みもないことがほとんど

ただし、毎月のように続く場合や、出血量が増えてきた場合は一度婦人科で確認を。

器質的な病変
(婦人科の病気が原因)

腟や子宮、卵巣などに何らかの異常がある場合、病気が原因で不正出血が起きている可能性があります。

代表的な疾患には以下のようなものがあります。

子宮頸管ポリープ/子宮内膜ポリープ

良性のできもので、少しの刺激でも出血しやすくなります。

子宮内膜症/子宮腺筋症

子宮の内部や筋層に異常組織ができ、月経とは異なる出血や腹痛を伴うことも。

子宮頸がん・子宮体がん

出血が初期症状の一つとして現れることもあります。特に閉経後や性交後の出血は注意が必要です。

腟炎・子宮頚管炎・腟部びらん

腟内や子宮頚管の炎症によって出血を起こすことがあります。感染症が原因となるほか、萎縮性膣炎などの閉経後のホルモン低下が原因となることもあります。

腟部びらんは生理的にもみられる所見ですが、炎症や接触により出血を起こすことがあります。

子宮の病気について
詳しくはこちら

その他の原因
(妊娠や外傷による出血など)

そのほか、以下のようなケースでも不正出血が起こることがあります。

  • 妊娠初期の出血(着床出血や切迫流産)
  • 性交時の摩擦による腟粘膜の傷
  • 甲状腺や血液の病気など、全身の病気が関与しているケース

症状だけで判断するのは難しいため、妊娠の可能性がある方はまず検査薬で確認し、異常があればすぐ受診を。

不正出血が起こる婦人科疾患

不正出血が起こる婦人科疾患不正出血の原因はさまざまですが、中には婦人科の病気が背景にあることもあります。

ここでは、実際に不正出血の症状として現れやすい6つの疾患をご紹介します。一見すると軽く見える出血でも、体からの大切なサインかもしれません。

子宮頸がん|20〜30代でも増えているがん

「子宮頸がん」は、子宮の入り口(頸部)にできるがんです。
多くは「HPV(ヒトパピローマウイルス)」というウイルスへの感染がきっかけとなって発症します。

HPVは性交渉のある女性の多くが一度は感染するとされますが、自然に排除されるケースがほとんどです。

ただし、ウイルスが長く残ってしまうと、数年かけてがんへ進行することもあります。

  • 前がん病変や初期病変は無症状の場合が多い
  • 定期的な子宮頸がん検診で早期発見が可能
  • ワクチン接種も予防のひとつ
  • 性交後出血の原因の一つ

子宮体がん|閉経前後に注意したい子宮内膜のがん

子宮体がんは、子宮の奥(体部)にできるがんです。
主に「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の影響で、子宮内膜が過剰に刺激されることが原因とされています。

  • 更年期や閉経後に不正出血があった場合は要注意
  • 初期症状は、茶色のおりものや不正出血のみのことも
  • 肥満・糖尿病・未妊歴などがリスク因子になることがあります

ポリープ|刺激で出血しやすい良性のできもの

ポリープとは、子宮の内側(内膜)や頸部にできる良性の小さな突起物です。

  • 頸管ポリープ:性交後や内診の刺激で出血しやすい
     → 外来での処置で簡単に除去できることがほとんどです
  • 内膜ポリープ:無症状のことも多いが、不正出血・不妊の原因となることも
     → 子宮鏡や超音波で発見され、必要に応じて切除

子宮筋腫|月経過多や不正出血の原因に

子宮筋腫は、子宮の筋肉層にできる良性の腫瘤(こぶ)です。
30〜40代の女性に多く、3人に1人が持っているとも言われるほど一般的な疾患です。

  • 月経が長引く/量が増える/不正出血が出る
  • 貧血や腹部の張り、下腹部痛を伴うことも
  • 筋腫の大きさ・場所により治療方針が異なる

妊娠を希望される方は、筋腫の位置によっては不妊や流産のリスクがあるため、早めの超音波検査をおすすめします。

子宮内膜症|月経痛・性交痛・排便痛にも注意

本来、子宮の内側だけにあるはずの「子宮内膜」が、卵巣や子宮筋層・腹膜など子宮以外の場所にできてしまう病気です。

  • 強い月経痛や腰痛がある方に多く見られる
  • 子宮の外で出血が起こるため、慢性的な炎症や癒着を引き起こす
  • 不正出血や性交痛、排便時の痛みを伴う場合も

進行すると妊娠しにくくなることもあるため、生理痛が年々強くなってきた方は一度婦人科でご相談を。

クラミジア感染症|自覚症状が少ない厄介な性感染症

クラミジア感染症は、日本で最も多い性感染症(STD)のひとつ。
「クラミジア・トラコマチス」という菌が原因で、子宮頸管に炎症を起こすことで、不正出血やおりものの変化がみられます。

  • 自覚症状がほとんどなく、気づかないまま進行することも
  • 放置すると卵管炎や骨盤内炎症を起こし、不妊の原因になることも
  • 性交渉のある方は、年に1度の検査を推奨

不正出血で病院に行く目安

不正出血で病院に行く目安一般的に、不正出血が2週間以上続く場合は医療機関での処置が必要とされます。

ただし、そこまで待たずとも、早めに受診した方が良いケースも少なくありません。
以下のような症状がある方は、なるべく早めに婦人科を受診しましょう。

受診をおすすめするケース

  • 出血量が多く、ナプキンを何枚も使う
  • 腹痛や腰痛などの強い痛みを伴う
  • 出血を繰り返している(断続的に続く)
  • 閉経後なのに出血がある
  • 2週間以上、出血が止まらない

不正出血と腹痛が
一緒にあるときは?

不正出血に加えて下腹部痛がある場合は、注意が必要です。
子宮外妊娠(異所性妊娠)や卵巣の疾患など、迅速な診断と処置が求められるケースもあります。

  • 特に、妊娠の可能性がある方で腹痛+出血がある場合は、早急な受診を。
  • 激しい痛みや出血が続くときは、救急対応が必要になることもあります。

不正出血のときに行う
主な検査と費用目安(保険適用)

医師は、症状や出血の状況に応じて適切な検査を組み合わせて診断します。
以下は、不正出血でよく行われる検査の一例です。

検査名 内容 自己負担額
(3割負担時・目安)
子宮頸がん検査 子宮の入り口にがん細胞がないか確認 現在、準備中です。
子宮体がん検査 子宮内膜のがんをチェック 現在、準備中です。
経腟超音波検査 子宮や卵巣の状態をモニターで確認 現在、準備中です。
ホルモン検査 ホルモンバランスの異常を調べる 現在、準備中です。

※症状によっては、上記以外の検査が追加される場合もあります。

まとめ|「おかしいな」と思ったら、ひとりで悩まず相談を

不正出血は「生理じゃないのに血が出る」という違和感から始まりますが、その背景には体からの大切なサインが隠れていることも。

「これくらい大丈夫かも」と様子を見るよりも、早めに婦人科で相談することで安心につながります。

うめきたウィメンズクリニックでは、不正出血の原因をしっかり見極め、必要に応じた検査とサポートを行っています。
気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。