本院 医療法人社団 健生会 産婦人科·乳腺ドック MARI WOMEN' S CLINIC まりウィメンズクリニック
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トイレが近い

最近急にトイレが近くなった…女性に多い頻尿の原因とは

「外出中もトイレの場所ばかり気になる」「仕事に集中できない」「年齢のせいかな…」
そんなトイレの悩みをひとりで抱えていませんか。特に、以下のような症状がある方は要注意です。


  • 急に強い尿意を感じる(尿意切迫感)
  • 何度もトイレに行きたくなる(頻尿)
  • トイレに間に合わず漏れてしまう(切迫性尿失禁)

これらは「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)」という病気の可能性があります。

過活動膀胱は、女性に多い疾患で、恥ずかしいことでも、年齢のせいでもありません。治療によって改善が期待できます。

頻尿の目安は?──1日8回以上なら要チェック

「頻尿」とは、排尿回数が多く、日常生活に支障が出ている状態を指します。
個人差はありますが、目安として…

頻尿の目安は?──1日8回以上なら要チェック
  • 日中(起床から就寝まで)に8回以上トイレに行く
  • 夜間に1回以上トイレに起きる

といった頻度が続くようであれば、頻尿の可能性があります。

女性に多い頻尿の主な原因

女性に多い頻尿の主な原因男性に比べて尿道が短く、さらに妊娠・出産・加齢などで骨盤底筋がゆるみやすいため、女性は頻尿・尿もれが起こりやすい体の構造を持っています。

ここでは、頻尿を引き起こす代表的な原因について、女性に多いケースを中心にご紹介します。

過活動膀胱
(かかつどうぼうこう)

女性に多い頻尿の主な原因尿が十分たまっていないのに、膀胱が勝手に収縮してしまい、強い尿意が突然起こる状態です。

特に女性に多く、40代以降から急増するとされ、尿意切迫感(我慢できない尿意)や尿もれが特徴です。

  • 原因:加齢、神経の異常、ホルモンバランスの変化
  • 日常での症状:冷たい水に触れたとき、立ち上がった瞬間などに突然の尿意
  • 対策:薬物療法や膀胱トレーニング

日本排尿機能学会によると、20歳以上の日本人で約1,300万人が過活動膀胱の症状を抱えていると報告されています。

骨盤底筋のゆるみ
・骨盤底障害

骨盤の底にある「骨盤底筋群」は、膀胱や子宮などの臓器を支え、排尿をコントロールする役割があります。妊娠・出産や加齢・閉経により筋肉が弱ると、頻尿・尿もれが起こりやすくなります。

骨盤臓器脱
(こつばんぞうきだつ)

骨盤底の筋力が大きく低下した場合、膀胱や子宮、直腸などの臓器が下がってくることがあり、これを「骨盤臓器脱」といいます。
膣の中に違和感を感じることもあり、膀胱が刺激されて頻尿になる原因となります。

慢性的な膀胱の炎症
・間質性膀胱炎

繰り返す膀胱炎や、慢性の膀胱の痛み(間質性膀胱炎など)は、頻尿・下腹部痛・残尿感といった症状を長期間引き起こします。
一般的な膀胱炎の治療では改善しにくく、専門的な診断が必要です。

心因性頻尿
(ストレス・不安)

強い緊張や不安を感じると、自律神経の乱れにより頻尿が起こることがあります。
「外出先でトイレが見つからなかったら…」という心配から、余計にトイレが近くなる方も。

急性膀胱炎

女性に多い「急性膀胱炎」は、細菌感染によって膀胱に炎症が起こり、頻尿・排尿時の痛み・残尿感などが現れます。
疲労や冷え、免疫力低下がきっかけで起こりやすく、早めの治療で改善します。

GSM
(閉経関連尿路性器症候群)

閉経によって女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少すると、膣や外陰部の粘膜が薄くなり、乾燥・かゆみ・頻尿・尿もれなどが起こります。

その他:
生活習慣や疾患も要因に

飲食物の影響

カフェインやアルコール、炭酸、香辛料、柑橘類などは利尿作用や膀胱刺激作用があるため、頻尿の一因となることがあります。

内臓脂肪の影響

内臓脂肪が増えると、膀胱や尿道が圧迫され、頻尿につながることも。肥満がある方は、糖尿病や高血圧などの合併症にも注意が必要です。

頻尿を改善するための
セルフケア・生活習慣

食生活の見直し

頻尿を改善するためのセルフケア・生活習慣「食生活の見直し」
  • カフェイン(コーヒー・紅茶)、アルコール、人工甘味料は控えめに
  • 食物繊維をしっかりとることで、便秘も予防
  • 「水分を控える」は逆効果。脱水にならない程度の適量を

ストレスケアを大切に

頻尿を改善するためのセルフケア・生活習慣「ストレスケアを大切に」

緊張や不安が続くと、自律神経が乱れ、膀胱が過敏になります。
意識的にリラックスする時間を取りましょう。アロマ、ストレッチ、音楽など、あなたに合った方法で心を落ち着けるのがポイントです。

骨盤底筋トレーニング
・膀胱トレーニング

頻尿を改善するためのセルフケア・生活習慣「骨盤底筋トレーニング・膀胱トレーニング」
  • 骨盤底筋(膣周囲の筋肉)を鍛える「骨盤底筋体操」は、頻尿・尿もれ対策として有効
  • 尿意を感じたらすぐにトイレに行かず、少し我慢する「膀胱トレーニング」もおすすめ

どちらも1日数分から始められます。

尿もれパッド
・吸水ショーツを活用

頻尿を改善するためのセルフケア・生活習慣「尿もれパッド・吸水ショーツを活用」

外出が不安な方は、専用の吸水アイテムを上手に取り入れると安心です。
最近は見た目も自然な商品が増えており、若い女性にも使いやすくなっています。

トイレが近いとき、
受診の目安は?

「頻尿があるけれど、病院に行くべきか迷う…」そんな時こそ、専門医への相談が第一歩です。

頻尿の感じ方は人それぞれであり、目安はありますが、必ずしも回数だけで判断する必要はありません。検査や治療は、ご希望や症状に合わせて進めることができます。「トイレの悩みは相談しづらい」と感じる方も多いですが、

  • 「トイレが近いけれど、治療が必要なのか分からない」
  • 「頻尿が気になるけど、受診のタイミングが分からない」

そんな時は、ぜひそのままの気持ちをお話しください。検査や治療は、ご希望や症状に合わせて進めることができます。どうぞ気軽にご相談ください。