- 生理前のイライラって、
どうしてこんなにしんどいの? - 生理前にイライラが
ひどくなるのはなぜ? - 生理前のイライラ対策|
日常でできるセルフケア - 食べ物でイライラをやわらげる|
PMS対策におすすめの食事法 - つらい症状は我慢しないで
生理前のイライラって、
どうしてこんなにしんどいの?
「なんだかイライラする」「つい周りにあたってしまって自己嫌悪に…」
生理前になると、心が不安定になったり感情のコントロールが難しくなったりすること、ありませんか?それはあなたの性格や心の弱さのせいではありません。
女性ホルモンの変化によって、体や心が敏感に反応している可能性があるのです。
ここでは、イライラの原因やPMS・PMDDの症状、悪化しやすい要因、そして日常でできる対処法について、わかりやすくご紹介していきます。
生理前にイライラが
ひどくなるのはなぜ?
生理前になるとイライラしたり、気分が落ち込んだりするのは、
「月経前症候群(PMS)」や「月経前不快気分障害(PMDD)」といった症状が関係していることがあります。それぞれの特徴や症状、そして悪化を招く要因を見ていきましょう。
月経前症候群(PMS)とは?
PMSとは、生理の3〜10日前から心や体にさまざまな不調が現れる症候群です。
誰にでも起こりうるもので、日本人女性の約8割が何らかの症状を経験しているとも言われます。
PMSでよく見られる症状
- イライラしやすい・怒りっぽくなる
- 気分が落ち込む・不安になる
- 集中できない・やる気が出ない
- 頭痛、眠気、だるさ
- お腹の張りや痛み、乳房の違和感
- ニキビ、肌荒れ、便秘や下痢
こうした症状は、排卵後から生理前までの「黄体期」に分泌されるホルモン(プロゲステロン)の影響で起こります。また、生理直前にはエストロゲン(卵胞ホルモン)が急激に減少し、さらに情緒が不安定になりやすくなります。
※多くの場合、生理が始まると自然に軽減します。
PMSの主な原因は、排卵後から生理前までの「黄体期」に起こる女性ホルモンの変化です。
この期間には「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が増加し、自律神経の乱れや脳内のセロトニンの低下などが起こるとされています。また、生理直前に「エストロゲン(卵胞ホルモン)」が急激に下がることで、頭痛や情緒の乱れが強まるケースもあります。
※多くの場合、症状は生理が始まると軽減します。
月経前不快気分障害(PMDD)とは?
PMDDは、PMSの中でも特に「精神的な症状」が強く出るタイプです。
感情のコントロールが難しく、日常生活や人間関係に支障をきたすほど深刻なケースもあります。
PMDDによく見られる症状
- 理由もなくイライラして怒りが爆発する
- 強い不安感や、ふとした絶望感に襲われる
- 涙が止まらない、感情の起伏が激しくなる
- 自分を責めてしまう、ひきこもりがちになる
PMDDも女性ホルモンの変動が関係していると考えられていますが、詳しい原因はまだ完全には解明されていません。
症状が重くなりやすい要因とは?
PMSやPMDDの感じ方や重さには個人差がありますが、次のような要素が影響することがあります。
年齢やライフステージ
- 年齢を重ねるにつれてホルモン変動が大きくなり、症状が強くなることも
- 妊娠・出産・育児、仕事との両立などがストレス要因になることもあります
性格の傾向
- 几帳面、完璧主義、責任感が強いタイプは、内側にストレスをため込みやすく、症状が強く出る傾向があります
食生活や栄養状態
- ビタミンB群、鉄、亜鉛、マグネシウムなどが不足すると、神経やホルモンのバランスが乱れやすくなります
- 甘いものの摂りすぎや無理なダイエットも、血糖値の乱高下を招き、気分の波を大きくすることがあります
※栄養の面からの対策については「19.4 食べ物でイライラをやわらげる」で詳しくご紹介しています。
生理前のイライラ対策
|日常でできるセルフケア
生理前のつらさを和らげるには、「生活リズム」「栄養」「ストレス管理」の3本柱を整えることが大切です。
ここでは、今日から始められる対策を5つご紹介します。
対策①:バランスの良い
食事を心がける
脂っこい食事や甘いものの食べすぎは、肌荒れ・むくみ・体重増加だけでなく、ホルモンバランスの乱れを助長することも。

- 加工食品やジャンクフードは控えめに
- ビタミンやミネラルを意識してとることが大切です
対策②:カフェイン・
アルコール・塩分を控える
これらは神経の興奮を高めたり、むくみや血流の悪化を招く要因に。

- 飲み物はハーブティーや白湯などがおすすめ
- 減塩・ノンカフェインを意識して選びましょう
対策③:軽めの運動で
リフレッシュ
ウォーキングやヨガなどの有酸素運動は、気分を安定させる「セロトニン」の分泌を促します。

- 毎日15分程度の散歩でもOK
- リラックス目的なら「ながらストレッチ」もおすすめです
対策④:喫煙・受動喫煙を
避ける
タバコに含まれる有害物質はホルモンバランスに悪影響を及ぼすだけでなく、血行を悪化させ症状を重くすることもあります。

- 喫煙している人は本数を減らすことからでも◎
- 家族のタバコの煙にも気をつけましょう
対策⑤:PMSダイアリーを
つけてみる
毎月の症状の傾向を記録しておくことで…

- 予定の調整や心の準備ができる
- 医師への相談時に役立つ
- パートナーや家族との共有にも◎
アプリを使って気軽に始めるのもおすすめです。
食べ物でイライラをやわらげる|PMS対策におすすめの食事法
食事は、体だけでなく心にも大きな影響を与えます。
PMSの症状をやわらげたいときは、「血糖値の安定」「ホルモンのサポート」「リラックスできる栄養素」を意識してみましょう。
血糖値を安定させる食べ方
血糖値が急激に上がったり下がったりすると、イライラや疲れ、甘いものへの欲求が高まりやすくなります。

- 白砂糖・菓子パン・ジュースなど「単純炭水化物」は控える
- 玄米・豆類・いも類など「複合炭水化物」を意識
- 食事を1日4〜6回に小分けにするのも効果的
※単純炭水化物とは白砂糖・清涼飲料などすぐに血糖値を上げる糖質で、複合炭水化物とは玄米・いも類・豆類など消化が緩やかな炭水化物です。
ホルモンバランスを
整える栄養素
栄養素 | 多く含まれる食品 |
---|---|
ビタミンB6 | かつお、レバー、バナナ |
カルシウム | 小魚、豆腐、牛乳 |
マグネシウム | ナッツ類、海藻類 |
ビタミンE | アーモンド、ブロッコリー、アボカド |
イソフラボン | 豆腐、納豆、豆乳 |
むくみや頭痛がある場合の対策
- 塩分の摂取を控える(加工食品・スナック菓子など)
- 利尿作用のある食品(大豆製品、全粒穀物、きのこ類)
- アルコールも控えることで代謝を助けます
出血や生理の遅れは
よくあること
服用後、数日〜1週間ほどで「消退出血」と呼ばれる出血があることがあります。
これは月経ではなく、薬の影響による一時的なものです。
また、次の生理が早まったり、逆に1週間以上遅れることもありますが、それだけで妊娠とは限りません。
妊娠していないか
確認するには?
性行為から3週間後を目安に、市販の妊娠検査薬で確認が可能です。
その間に、強い腹痛や不正出血がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
つらい症状は我慢しないで
PMSは誰にでも起こりうる心と体の変化であり、決して特別なことではありません。
セルフケアだけではつらい、不調が続く――そんなときは、無理せず医療機関に相談することも大切な選択肢です。
うめきたウィメンズクリニックでは、低用量ピルや漢方薬、サプリメントなど、症状やライフスタイルに合わせた治療のご提案が可能です。「病院に行くほどでは…」と迷う前に、どうぞ気軽にご相談ください。